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梁は琳華に連れられ食堂へと向かった。
「おはようございます、梁様」
「おはよう」
「梁……今日は出かけるわよ」
「何処に?」
「魔法学園よ!」
「はい?」
梁はマヌケな声を出した。
「梁もこの世界に居るのなら学園に行かなきゃね」
「何故に?」
「法律だもん」
梁は少し考えた。
「(行きたくねえな。めんどいし…………そうだ!)」
「そうと決まったら、ご飯食べ――」
「ちょっとまった!」
「なに?」
「俺はこの世界での戸籍が無いから、学校とか通えないぜ!」
梁は自信満々に言い放つ。しかし梁の考えは崩れ去る。琳華の一言によって。
「戸籍ってなに?」
「へ? 戸籍知らないの? てか、無いの?」
琳華は頷く。それを見た梁はうなだれた。しかし、ガシッと、琳華の肩を掴むと言った。
「戸籍っていうのは、言うなれば自分という人間が生まれて生きてます、っていう証みたいなもので。俺の世界では、それが無いと学校に通えないの」
「へえ~、そんなものがあるんだ。でも、この世界ではそんなの必要無いよ。学園長が認めてさえいれば、学園に通えるしね♪」
本格的の落ち込んだ。物凄く学校に行きたく無かった様だ。
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