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物凄くでかい豪邸。その広い庭に若い2人の男女と、10歳前後の1人の少女がいた。
「ねえねえ、パパ!」
少女は男――父親に飛びつく。父親は少女を優しく抱き留める。
「なんだい、マリア?」
少女――マリアは笑顔で言った。若かりし頃の学園長だ。
「あのね、私中級魔法ができる様になったんだよ!」
「おおっ! その歳で中級魔法ができる様になったのか!」
父親はそのままマリアの腋に手を入れ、クルクルと周りだす。喜びを表現しているようだ。
「もう、マルコったらぁ、そんなにはしゃがなくても、良いじゃ無いですか」
「そんなこと言うなよ、アリア。自分の子供が10歳で中級魔法を覚えたら、誰でもこうなるさ!」
女――アリアは子供の様にはしゃぐ父親――マルコに言う。それに対しマルコはアホな事を言った。
「よし! 今日はパーティーだ!」
「わーい!」
「ふふっ、仕方ないわね」
パーティーパーティーと、はしゃぐでかい子供と小さい子供と対称的に、アリアの顔は優れなかった。
その理由はこの少しあとに判明する。
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