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そんな主人を執事とおぼしき男性は悲しい顔で見る。
そんなとき勢いよく扉が開いた。
「だ、旦那様!」
入って来たのは研修中という札を胸に着けた、若い執事風の男だった。
「……なんだ」
「お、お嬢様がっ、はっ発見されました!」
「なんだと!? どこだ! 今、どこにいる!!」
マルコは入って来た、若い執事風の男の胸倉を掴み前後に振る。
「い、いい今っこちらの医務し、室にに、に搬送中で、です!」
「搬送?! どこか怪我しているのか?!」
「怪我はなく、健康体ですが、念のため検査を」
「よ、よかった……」
マルコはペタリと床に座り込んだ。そのまま顔を手で覆い、泣きはじめた。
しかしすぐに起き上がると、書斎を飛び出した。向かった先は、……妻であるアリアの寝ている寝室。
アリアを連れだし、医務室へと向かった。
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