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――バンッ!
「マリアッ!」
アリアを背中に背負い、マルコが医務室のドアを破壊せんばりの勢いで開ける。
医務室は真っ白い空間だった。等間隔で6列で10個ずつベッドが並べられている。
その中でも、一際でかいベッドがあった。そこにはマリアが寝かされていた。
「マリアッ!」
「しっーー! 静かにして下さい! 今、鎮痛剤で眠ってます」
ベッドのそばにいた女医さんに怒られた。
「す、すまん……」
「気持ちも分かりますが、静かにして下さいね?」
「……はい」
マルコはシュンっとした。
「……マリアが見つかったのね……?」
「はい、奥様。ここにいらっしゃいます」
アリアは恐る恐るベッドを覗き込む。
「お、おおっ! 愛しのマリアぁ……」
アリアは大量の涙を流し、泣き崩れた。そんなアリアの肩にマルコが優しく手を置く。
「アルフォード」
「はい」
マルコが呼ぶと、どこともなくさっき書斎にいた執事が現れた。
「どこで見つけた?」
「見つけた、と言うより見つけて貰った、と言う方が正しいかと」
「どういうことだ?」
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