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「全く、時間かけやがって……」
自称ご先祖様はフッー、と一息入れ梁を見た。
梁はピクリともせず、まるで死んでいるみたいに眠っていた。
「じゃあな、一応簡単に封印を解いてやった。それでそれなりには魔法が使えるはずだ」
自称ご先祖様は梁にそう投げ掛け、消えて行った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「……まだなの」
琳華は今だ眠っている梁の前で、ウロウロしていた。不審者の様に。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。もうすぐ戻ってく――」
ブワッ! 眠っている梁の身体から、大量の魔力が溢れ出した。
「な、何がっ!」
しかしすぐに魔力は収まった。今は、常人の半分くらいしか流れて来ない。
「どうかしたんですか?」
「な、何でも無いですよ(…………まだ魔力を感じとれないのね)」
「……う、ううっ……」
梁が目を覚ました。目頭を押さえながら起き上がる。
「……あのクソ野郎……! …………いつっ」
梁は腹を押さえる。服をめくって見てみると、青黒くなっていた。
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