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「…………梁君。気分はどうですか?」
梁にマリアが近づいて言った。
「悪くは無いですよ。でも、変な感じですね」
「それはまだ身体に馴染んでないだけですよ。今日はもう休んで下さい。魔力測定とか属性検査とかは、明日しますから」
梁ははい、と言って立ち上がった。そしてそのまま琳華の手を引いて部屋を出る。
「(さっきの魔力は一体……)」
マリアは考えていた。さっき梁から流れてきた大量の魔力。そしてすぐ常人並となった事。
彼は一体、何者なのか。さっきの現象は何なのか。……果たして彼は、我らの味方なのか。
似ている命の恩人とどういう関係なのか。
そんな事がマリアの脳裏を過ぎった。でも――
「(…………関係ないか。敵になったら倒せば良い。味方なら一緒に戦えば良い。未来の事を一々考えたってどうしようもない。その時がくれば分かるでしょう)」
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