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梁は何がなんだか分からなかった。そのままポーッとしていたが、職員室を通り過ぎた他の教師によって、緑茶と椅子に案内された。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「おお、元気にしてたか?」
入学式が終わったのか、ゴートンが職員室に来た。
「遅いよ、先生」
ゴートンは何がおかしいのかハハハッと豪快に笑った。
「先生じゃなく、ゴートンって呼んでかまわない。上級生はみんなそう呼んでるしな!」
はぁ、と梁はため息を吐いた。疲れたという気持ちを表している。
「ほら、教室行くぞ」
ゴートンは手で手招きして誘う。
梁は再度ため息を吐くと、ゴートンの元へ向かった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
とても長い廊下を2人は歩く。
「ゴートン、俺のクラスってどんなクラスなんだ?」
梁は歩きながら聞いた。
「そうだな…………みんな良い奴らだぞ。……若干1人を除いて」
梁はゴートンの呟いた最後の言葉が気になった。
「〝若干〟て何だよ」
「いやー、ソイツはちょっとした家柄でな。実力もある。だからか、ちょっと身分や実力が低い者を蔑んだりするんだ」
いやぁ、参った参った、とゴートンは頭を掻く。
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