入学式と仲間たち

11/21

12623人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ
梁は何がなんだか分からなかった。そのままポーッとしていたが、職員室を通り過ぎた他の教師によって、緑茶と椅子に案内された。 ☆   ☆  ☆  ☆   ☆ 「おお、元気にしてたか?」 入学式が終わったのか、ゴートンが職員室に来た。 「遅いよ、先生」 ゴートンは何がおかしいのかハハハッと豪快に笑った。 「先生じゃなく、ゴートンって呼んでかまわない。上級生はみんなそう呼んでるしな!」 はぁ、と梁はため息を吐いた。疲れたという気持ちを表している。 「ほら、教室行くぞ」 ゴートンは手で手招きして誘う。 梁は再度ため息を吐くと、ゴートンの元へ向かった。 ☆   ☆  ☆  ☆   ☆ とても長い廊下を2人は歩く。 「ゴートン、俺のクラスってどんなクラスなんだ?」 梁は歩きながら聞いた。 「そうだな…………みんな良い奴らだぞ。……若干1人を除いて」 梁はゴートンの呟いた最後の言葉が気になった。 「〝若干〟て何だよ」 「いやー、ソイツはちょっとした家柄でな。実力もある。だからか、ちょっと身分や実力が低い者を蔑んだりするんだ」 いやぁ、参った参った、とゴートンは頭を掻く。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12623人が本棚に入れています
本棚に追加