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☆ ☆ ☆ ☆ ☆
逃げ出した梁はマリアの――学園長室にいた。何故、と問われると答える事は出来ない。
と、言いつつ迷っただけなんだが。
「で、迷ってここにいるわけですか?」
「……うっさい」
この歳で迷子が恥ずかしかったのだろう。その証拠に、梁の顔は赤かった。
はあ、とマリアはため息を吐く。そして立ち上がり梁に近づく。
「これを持って行きなさい」
そう言ってマリアが差し出したのは、簡単な学園の地図だった。
梁は礼を言って受け取り、学園長室を出て行った。
「さて、調べなければ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その後、梁は地図を頼りに寮に着くことが出来た。
そして、何故か部屋の前に琳華達がいた。梁は疑問に思ったが、考えるのを止めて琳華に話し掛けた。
「なんでいるの?」
「遊びに来たの」
梁はため息を吐くと、部屋の鍵を開け、琳華達を招き入れた。……瞬以外。
「何故だぁ! 虐めなのか?! 虐めなんだなコンニャロォー!! 開けやが――ペっ!」
「一々煩いのよっ! あんたはそこで大人しく寝てなさい!!」
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