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まあ、そんなこんなで時間も経ち、夜中になった。
「もう、帰らねえとな」
実は、この学生寮には門限というものがあるのだ。寮生は午後10時を過ぎても、自分の部屋に帰らない場合、物凄い罰が下されるのだ。
なんでも、この罰で真人間に更正した不良もいるらしい。
「ホントだぁ……じゃあ、また来るからね、梁♪」
遥はニッコリと可愛らしく微笑むと出て行った。
それに続く、琳華と夜未。夜未の顔はまだ赤い。
「………………で、お前は帰らねえのか?」
梁は、1人寛いでる瞬を見て、言った。
瞬は、ん? と首を傾げると言った。
「俺の部屋隣だから問題無いぞ?」
「いや、それでも戻る時に見つかるだろ?」
「ふっふっふ、これだから素人くんは困る」
瞬はキモく笑うと立ち上がった。そして壁に近づき、言った。
「これを見ろぉ!!」
ガチャンという音を立てて壁が回った。まるで忍者屋敷の様に。
「ふはははは! どうだ、驚いたか?! 初代寮長が作った秘密の抜け穴だ――ァブライ!」
偉そうに説明する瞬に一発、拳を入れた。
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