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「………………で、あいつはなんだ?」
梁の疑問に瞬が答えた。
「あいつは、四大貴族と呼ばれる世界最大級の貴族の息子だ。四大貴族って言うのは分かるか?」
梁は頷く。
「要は、世界トップの貴族なんだろ?」
「いや、それも違う」
瞬は首を振って否定した。
「世界トップの貴族は王都守護十家と、呼ばれるものだ。ていうか、そんな常識を知らないお前はなにもんだよ」
――ギクッ
梁と琳華はドキリとした。
まだ、皆には言ってない。何故言わないのか、それは、言って引かれないか、今まで通りに付き合えなくならないかと言う気持ちがあったからだ。
知り合ってそんなに時間も経ってないが、梁にとって瞬たちはかけがえのない友なのだ。
「…………それはまだ、言えない」
「何かを隠してるって事だな?」
梁はなにも言わなかった。
「……否定も肯定もしないか……」
瞬は悲しそうだった。いや、瞬だけじゃない。知っている琳華と当事者である梁を除いた全員が瞬と同じ様な顔をしている。
尤も、夜未は感情表現が乏しいので見分けるのも難しいが。
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