使い魔契約と奇跡の再会

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悩んだ末、梁は言った。 「中級魔法までしか使えない」 瞬は納得した様で、ウンウンと頷いていた。 「だよなぁ~。俺達の歳で上級なんて言われたら、どうしようかと思ったぞ」 編入してくるぐらいだし、と瞬は付け加える。 助かった。梁はそう心から思い、安堵のため息をバレないように吐いた。 「じゃあ、続き…………やるか?」 「おうっ!」 梁は元気よく返事すると、起き上がった。そしてそのまま走り出す。 ☆   ☆  ☆  ☆   ☆ 「あ、そういえば忘れてたことがあった」 「なにを忘れてたんですか?」 琳華はゴートンの呟きを聞き逃さず、聞いた。 「いやな、実は今日復学して来るやつが居るんだよ」 「…………まさか……!」 「ああ、暗黒の舞姫こと狗神葵だ! …………狗神?」 ゴートンは引っ掛かりを覚えた。今年同じ苗字の男が教え子になった事を。 「ま、いっか。同じ苗字なんざ山ほどいるし」 ゴートンはあまり深く考えない性格の様だ。悪く言えば能天気。よく言えば何も考えていない。
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