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「いや、それがよく分からないんだ。崖から落ちて気が付いたら、ここに降ってきたんだけど」
「じゃあ、あなたは何処から来たの?」
「東京だよ」
東京と聞いた琳華は眉を細めた。
「東京なんて地名あったかしら?」
「東京は日本の首都だよ!」
「日本て何ですか?」
琳華はキョトンとした顔をして聞き返した。
「日本しらないの!?」
これには唖然とした。
「うん」
「(どういう事だ? ……日本を知らない。しかも東京も知らない。それにこの子の髪と目の色は……。まさか……これが噂に聞く異世界と言うやつなのか?)」
梁は考え込んでいたが、結論が出たようだ。
「泊まるトコってあります?」
「無いけど……?」
梁はいきなりそんな事を聞いてくる琳華を訝しげに見る。
「では、家に来ますか?」
「迷惑じゃない?」
梁は少し困った顔で聞いた。会ったばっかりの女の子の家に行くに躊躇いがあるからだ。
「大丈夫です(困った顔は、可愛いですね)」
「あ、ありがとう!」
梁はニコリと笑顔になった。
「べ、べつに、お礼言われる事じゃないです」
「どうした?顔が赤いぞ(風邪か?)」
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