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葵は表情を曇らせた。
そして、口を開く。
「……ええ、いましたよ。ひとつ上に。もう会うことは出来ないでしょうけど……」
「うん。それが会えると言ったら?」
葵は振り返った。振り返った顔は驚愕に満ち溢れていた。そしてその顔は有り得ない、と語っている。
その反応に満足したのか、満面の笑みをゴートンは浮かべた。
「ちょっと待ってろ。有り得なくないんだよ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「「……ぜぇ……ぜぇ……はぁ」」
フラフラになりながらも2人は走り続けた。そして今、ラスト100mになった。その時、梁はゴートンの横に小さな人影が見える。
その人影は、何とも見覚えがあり、懐かしい感じがする人影だった。
「……あ、あれは……いった……い……?」
まさか、あれは……。
梁は頭をブンブンと振って考えを消す。
そんなことあるはずがない。アイツは行方不明なんだ。こんなところに居るはずが……!
だが、梁の考えは外れることになる。人影に近づくにつれて疑惑が確信へと変わる。
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