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いや、寧ろ只のシスコンより危ない。
こう言う人間が後に事件を起こすのだ。
「可愛い――グペポォッ!!!」
「俺の大事な葵に男が近寄るんじゃねぇよ! ぶっ殺すぞクソ野郎!!」
瞬が近づいた瞬間、梁から光の速さでパンチを受け、吹き飛んだ。
殴られた瞬の頬にはシュウゥゥと、湯気が立っている。
「(……コイツ何者だ。俺が見切れないなんてあるはずが無い)」
ゴートンは梁のパンチの速度を見切れなかった事で考えていた。
「(コイツひょっとして凄い実力を持っているのでは? だからこの時期に学園長も編入を……)」
ゴートンの考えは間違っていた。さっきの梁のパンチの速度は、只単に妹命の兄バカの特殊能力の様なものだ。
尤も、妹のいないゴートンには一生わかるはずの無い事なのだが。
ガルルルル、まるで犬の様に吠える梁を見て、クラスメイト達は思う。
ああ、ちょっと頭の可哀相な人なんだと。
ただ、二人だけ違う考えを持っていた。琳華と夜未だ。
二人は梁に好意を持っている。恋愛感情としてだ。そんな二人にとって葵の出現は予想外だった。
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