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〝このままじゃ梁が取られる〟。
そう感じた二人はすぐさま行動に移す。
「早く使い魔召喚しようよ!」
「…………うん。早く行こ?」
琳華は右から、夜未は左から梁の腕を掴み、引っ張っていく。
「待ってよ、お兄ちゃん!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「じゃあ、私からやるね!」
琳華は元気よく言うと、魔法陣の中に入って行った。
「今更ながら召喚ってどうやんだろ……?」
「見てれば分かるよ、きっと」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「異界の住人よ。我と共に歩むものよ。我が魔においてここに顕れ給え!」
琳華は呪文を詠唱しながら魔法陣に魔力を流す。
すると、魔法陣が緑色に光りはじめた。
光りの中に影が見える。光りが治まりはじめるとその影も露わになる。
そこには、白銀の髪、深紅の瞳(め)をした二十代後半くらいの女性だった。
「お前が私を喚び出したのか?」
凜とした声色だった。
「ええ、そうよ。契約してくれる?」
女性は無言で右手を差し出す。
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