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差し出された手を琳華は、笑みを浮かべて握った。
次の瞬間、琳華は膝を地面に着いてしまった。
「…………なん……で」
息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。
「ふう。合格だ。私と契約を結ぶ資格があるかをみさせてもらった。魔力の総量問題無し、質も問題無い。よって、契約しよう」
「……なら、…………先に言って……よ」
ご尤もな意見で。
「勝手に契約させてもらおう」
女性はそう言うと、膝を着いている琳華の首元に噛み付く。
そのままチュウチュウと血を吸いはじめる。
それに比例するように琳華の顔は青白くなっていく。
もう死ぬんじゃないかと思うぐらいに、顔が青くなった頃に漸く首筋から顔を離した。
「ふう。中々に美味だったぞ」
当然ながら致死寸前まで血を吸われた、琳華は聞こえていない。
「聞こえてないな」
当たり前である。
「これでは話が進まん」
自分のせいの癖に中々に偉そうだ。
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