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「流石に魔力を回復させてやることは出来ないが、血を与えよう。少しは楽になるだろう」
女性は再び琳華の首筋に噛み付いた。
すると、次第に琳華の顔色が良くなってきている。半分くらい良くなったところで女性は離れた。
それから思い出した様に、琳華の首筋の噛み傷を舐める。
すると、あっという間に傷が塞がった。
「話せるか?」
「……さっきよりは楽になったよ。それよりなんで私の血を?」
楽になったとは言え、まだ少し辛いのかゆっくりと喋りだす。
「それが我々ヴァンパイアの契約方法だ。そういえばまだ名乗って無かったな。私はヴァンパイアのリカ。これから宜しく頼むぞ、マスター」
問いに答えると女性――リカは妖艶な笑みを浮かべて手を差し出した。
「……………………っはっ!」
琳華はリカの笑みに一瞬見惚れていたが、我に帰ると頭をブンブンと振った。
そして急いで差し出された手を掴む。
リカはそんな琳華の行動を不思議そうに見ていたが、手を掴まれたことにより、先に起き上がらせることを優先した。
「宜しくね、リカ」
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