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ここでゴートンは気づいた。
リカは美女だ。絶世とは言い難いが、トップクラスの美貌の持ち主であることは間違いない。
そして胸もでかい。
なのに騒ぎは起きていない。あの、変態(瞬)が騒いでいないのだ。
学園一の変態と、言っても過言ではない瞬が静かなのだ。
ゴートンは思った。
――世界崩壊の前触れか?
ゴートンは急いで瞬を探す。そして見つけた。
葵に下心丸見えで近づいた罰(?)で、梁にぶっ飛ばされて仰向けに、大の字で伸びていた。
「(あれなら問題無いだろう)」
ゴートンがそう思ったのもつかの間、ピクッと瞬の指が動いたのだ。
「……び、美女の匂いがする」
指が動いたかと思うと、ホラー映画宛(さなが)らに大の字のまま起き上がったのだ。
まるでワイヤーでも使ったのでは無いかと思うほどに、物理の法則を無視した動きだ。
「(怖っ!!)」
「美女の匂いがするどぉ!!!」
ゾンビのような顔をしながら叫ぶその姿はR18指定にしたいほどだ。
悲鳴が轟く。まるで阿鼻叫喚。女子は泣き叫び、男子は少しずつ後ずさる。
そんな中ゾンビ(瞬)に近づく一つの影。
リカだ。
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