使い魔契約と奇跡の再会

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「出たな、リビングデッド! 新たな主人のためだ! 唸れ、全てを粉砕する力『ヴァーリエント!!』」 リカが詠唱の様なものを唱えると、両腕の肩から指先まで覆うガントレットが現れた。 力の大魔であるヴァンパイアは、剣や槍などの物より腕や脚に付けるタイプの武具を好むのだ。 「……あぁあ…………美女のエキスが流れてくるどぉ。美女のお○○この臭いがするのだぁ……!」 キモい。 リカは本心からそう思った。オ○○コの臭いなどしないと言いたかった。 毎日風呂にも入っている。だから臭いなどしない、と叫びたかった。 だが、それを叫ぶのは戸惑いを感じたのだ。それは羞恥心。 リカの羞恥心が叫ぶのを止めさせたのだ。 「……マジでぶっ殺す」 リカは200歳を越える成人したヴァンパイア。ヴァンパイアの能力である魔力をありとあらゆる力に変換する能力が使えるのだ。 リカは有りったけの魔力を純粋な筋力――パワーに変換させる。 討伐ランクSを越える高位の魔族であるヴァンパイアの魔力総量は計り知れない。 リカが全力で駆け出す。 それだけで地面に半径十数メートルのクレーターができる。
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