使い魔契約と奇跡の再会

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ペタン、と力無く座り込むリカ。未だに脚は痙攣している。 ギルドランクSを超えるヴァンパイアのリカを、戦わずして倒すゴートンの実力とはいかに。 「……さて、あとはコイツをどうにかせねば」 ゴートンはぶっ飛んで尚、アンデットと化している瞬を見てため息を零した。 「仕方ない。アレをするか…………下手したら死ぬかもしれないけど」 サラッと、とんでもない事を零すゴートン。 アレとは何なのか。 「生きて帰ってこいよ」 ゴートンは不吉なことを、言いながら懐から試験管を取り出す。 何が入っているのかはよく分からない。 何しろ、全て真っ白に成っているからだ。 「これは、あるお偉いさんに頼んで、作ってもらった魔法瓶だ。浄化魔法が取り込んである」 浄化魔法――光属性の魔法である。闇を浄化する魔法だ。但し、闇だけでは無く〝負〟と呼ばれるモノ全てを浄化するものだ。 この負には色々なモノが含まれる。妬み、嫉妬、憎しみ、怒り、その他諸々色々とあるが、それら全てを浄化することが出来る。 本来、浄化魔法で人は死なない。これは原則だ。だが、原則には例外がある。それは余りにも闇に染まっていた場合だ。
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