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「我、熾天使・バリエル。全ての天使を統べるもの。我が真名に誓い汝を主とせん」
口上を述べ、夜未の手の甲に口をつける。
瞬間、淡い光とともにつむじ風が吹き荒れる。
それとともに魔力も。
全てが治まると、そこには3メートル近くあったバリエルの身体が、夜未と同じくらいになっていた。
「……小さくなった?」
バリエルは頷く。
「人間界はこの身体の方が便利なのだ」
確かに。バリエルは3メートルを越える巨体だ。人間は精々2メートル弱。バリエルには人間界の建物は小さすぎる。
「して、私はどうしたら良いんだ? いつまでもこの世界にいる訳にもいくまい」
「…………ついて来て」
夜未はポツンと一言。それだけ言うと身を翻し、梁たちの下(もと)へと向かった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「夜未ぃいぃぃいいぃぃぃい!! 熾天使を見せてくれ!!」
教師として興味があるのか分からないが、ゴートンが叫びながら夜未に突撃してきた。
「マスターに触るな、変態!!」
バリエルは、ゴートンを変態呼ばわりして魔力の塊を放つ。
「うほぉっ!!」
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