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背後から攻撃を受け、振り向いたゴートンは見た。目尻に涙を浮かべた夜未の姿を。
「ちょ、な、泣くなって!」
ゴートンは慌てた。
教え子を泣かしてしまったのだ。自分の欲求を満たすために。
当然、シスコんでロリコン疑惑のある梁が黙っている筈も無い。
鬼のような形相をし、全力疾走で駆けて来る梁の姿が有る。
「……うっ…………ひっぐ、ひどい」
本格的に泣き出した夜未。
ゴートンは顔を真っ青にした。梁の顔が鬼から魔王にレベルアップしていたからだ。
しかも、なにやら呪詛の様なものまで吐いている。
「ぶっ殺ぉおぉおおぉす!!!!」
「ちょ、待――はぶうぅううぅぅうぅ!!!!」
梁は蹴り上がり、ゴートンの顔面に会心の一撃をおみまいした。
ゴートンは奇声を上げて吹き飛ぶ。5m吹き飛んだところで地面に落下。地面を抉りながら5mほど転がっていった。
フシュー、という音を上げても良いほど息が荒い梁。ゴートンが動かないのを確認して夜未へと向いた。
「大丈夫だぞ、夜未。お前をイジメる奴は俺が成敗してやった。安心しろ」
「…………うん、有り難う」
ポワワァ~ン、とでも効果音が付きそうな満面の笑みを浮かべた夜未。
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