使い魔契約と奇跡の再会

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「ほっといて良いよ。さ、行っておいで」 梁の顔は思いっ切りふにゃけていた。ロリシス梁。 「じゃあ、行ってくるね!」 ☆   ☆  ☆  ☆   ☆ 「異界の住人よ。我と共に歩むものよ。我が魔においてここに顕れ給え!」 葵を黒い光が覆う。 しかし、その光はすぐに治まった。さっきと何も変わらない。 いや、ひとつだけ変わったことが有った。葵の前に三対六枚の漆黒の翼を携えた女性の天使が居た。 「久々の人間界か。で、お前がワタシを召喚した者か?」 「うん! 契約してくれる?」 天使の顔が紅くなった。 「(何だ、この可愛い生き物は?)お、おお……良いぞ」 葵は誰をも魅了する無邪気な笑顔を作った。 「葵!!!!!!!」 バカ兄の雄叫びも響いた。 天使もプルプルと震え、いつでも飛び出せる状態になっている。どうやらこの天使も梁と同類に当て嵌まるようだ。 「もう我慢ならん!!」 天使は葵に抱き着いた。これによりバカ兄梁が壊れた。 「貴様ァ! ぶっ殺す!! 葵に抱き着いても良いのは俺だけだアァ!!」 「黙れ! 可愛いものは皆で分け合うものだぁ!!」
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