使い魔契約と奇跡の再会

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「フフフッ。葵はそんなに気に悩まんで良い。堕天使に堕ちたのだって自業自得さ」 そう言うアミラの顔は何だか無理をしているようだった。 シリアスな雰囲気。 そんなシリアスな雰囲気を破壊するバカがいた。 「葵いぃいいいぃぃぃぃい!! お兄ちゃんと遊ぼうぉお!!」 「お兄ちゃんは少し黙ってて。【暗闇の迷路】」 葵はシリアスな雰囲気が破壊されて不機嫌な様子で梁に闇属性の上級魔法を発動させた。 「なんじゃこらぁああぁあ!!! 前が見えん! へばっ、鼻ぶつけた…………」 「暗闇の迷路とは一種の捕縛魔法だ。だが、普通の捕縛魔法とは違う点がある。……それは、完全に動きを封じ込めるのでは無く、出口の無い真っ暗闇な迷路を術者が解除するまでさ迷わせるものだ」 「解説ありがとうございます、先生。……という訳でお兄ちゃんにはそこで頭を冷やしてもらいます。…………といっても聞こえていないでしょうけど」 ニヤリと微笑む葵は恐ろしかった。歴戦の戦士であるゴートンや熾天使であったアミラまでもが背筋を冷たくさせるほどだ。
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