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「何故? って顔をしているな。教えてやる。高位の種族を長時間だしておくと犯罪組織に狙われたりするんだよ。特に、お前みたいな学生がな」
犯罪組織と言われてもピンと来ない遥。無理も無い。15、6の子どもに言っても分かるはずが無い。
それにこの年頃の子どもが考える犯罪と言うのは、精々子ども騙しみたいなものばかりだろう。
まあ、余程世界の闇に浸かっているなら子どもだろうが分かるだろうが。
だからゴートンはあまり言わなかった。
狙われた学生たちがどんな人生を送っているのか。血で血を洗うような毎日を送っている何て言うのは。
「だから戻しとけ。どうせすぐに喚び出せるんだから」
「だって……少しのお別れだね?」
「大丈夫なのですよ。ワタシも仕事があるので必要な時とかに喚んで貰えたらいいですの」
ウルウルと涙を溜める遥と違って、ウンディーネはニコニコの満面の笑みを浮かべていた。
遥は少しショックを受けてしまった。
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