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「あ、バカ野郎……! 勝手に変な呪文を使うな?!」
「へっ?」
「そんな半命令的な呪文なんて使ったら、怒った上位の種族が来るぞ!」
だが、もう遅い。呪文が完成したことにより魔法陣が発動し、黄色い光が溢れ出している。
そこから現れたのは体長約5mで、龍に似た顔を持ち、馬の蹄と牛の尾を持った動物だった。
その体毛は黄色であり、背毛は五色で彩られている。そして頭には長い角が一本生えている。
「……貴様か。ふざけた呪文で我を喚んだのは」
「あれは……麒麟か?」
「ほう、我の事を知っておるのか? 中々に博識だな、小僧」
グルリと声の聞こえた方を見て麒麟が声を出した。
その声は低いがよく響く声だった。それと同時に威厳を兼ね備えている。
「はい。存じ上げております」
ゴートンはスーッと跪ついた。
「ん? その魔力……お主、グラフェルの家の者か?」
「はい。私は子孫です」
「そうかそうか。あ奴にも子が出来たか。して、この無礼者は何者じゃ? それなりに良い魔力は持っておるがな」
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