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麒麟はギロリと、瞬を睨む。
それに対し、ビクッと瞬は震えた。
「はい。私の教え子であり、瞬禅(しゅんぜん)様の直系の子孫であります」
「ほう、あの変態のか。ふむ。言われればどこと無く雰囲気が似ておる」
ジロジロと値踏みするような視線を投げ掛ける麒麟。
瞬はブルッと震えると口を開いた。
「そ、そんなに見んなよ。…………興奮しちゃうじゃんか?!」
…………………………。
「……………………血筋か」
「…………悲しいですがそのようです。あれが私の幼なじみで次期当主だと思うとなんとも……」
麒麟とゴートンは何やら明後日の方向を見て話していた。
「しかし、どうするのですか? やはり、アイツと契約を?」
「本当ならやりたくは無いのだが、出て来てしまったしアイツとの約束だからな」
「約束?」
「なに、いつか自分の子孫の使い魔になってくれ、と言っていたのだ。まあ、数千年も前の話だがな」
麒麟はその時の事を思い出しているのか、穏やかな顔つきになっている。
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