女王様は独り

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  「“何でも”?」 「あぁ? それしか許さないとか言うんだろ」 俺の返事を催促する様に、恵理香が繰り返す。 その俺は恵理香と柚理香の間をすり抜け、また歩みを進める。 「「じゃあまず命令よ!」」 ビシィッと効果音が付きそうな勢いで双子が人差し指を俺に向け、その体制を保ったまま反応を待つ。 だが俺は双子の言葉を無視して、どんどん先を歩いていく。 自棄になった双子も小走りで俺に追い付こうとする。 「聞きなさいよ!」 「萩くんっ!」 「聞いてるっつの! 両脇からデカい声だすな!」 俺を挟む様に一人ずつ横を陣取り顔を覗き込むので、鬱陶しそうに怒鳴り歩く速度を速める。 「ちょっと待って……」 「ゆっくり歩きなさいってば!」 「命令すんな! 付いて来るんだったら勝手に付いて来いっ!」 「「ペットのくせにっ!!」」 そう双子が叫ぶと、後ろから二人で俺の背中に頭突きをし、走って学校まで行った。 「あ? ……何なんだよ」 そのまま俺は気にせず、ゆっくり学校までの道のりを歩いて行った。  
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