女王様は独り

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  「オハヨ」 「おはよー! 早牙原っ、今日こそ教えろ!」 「何がだよ?」 「お前とぼけんなって~」 教室に入るなり俺に飛び付き、話しかけて来た中山翔(なかやま かける)。 双子の本性を知っている数少ない中の一人。 外見はチャラくもなく、真面目でもない普通に居そうな高校生だ。 俺に、双子の前で本性を知っている事をバラさない、言わないと約束して守っている。ちゃんとする所はちゃんとする真面目な人間だ。 「だぁかぁら! 先週から言ってんだろ!」 「は? ……何だっけ?」 俺が考える素振りを見せたら、後頭部を叩かれた。 「あれだよ~! ……女王様の秘密!」 二言目は小さな声でボソッと呟き、真剣な面持ちで俺に近付く。 「あぁ~……あれね、パス」 中山の横を通り過ぎて自分の席に着く。すると、俺の机を掴み凄い勢いで話し始める。 「何で!? 約束したじゃん! えっ!?」 「めんどくさいから?」  
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