女王様は独り

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  「なるへそ」 柚理香から、先程の事の大まかな成り行きを聞き終わり、恵理香が座っていた窓際のチェアに腰掛ける。 部屋に太陽の光を注いでいる大きな窓ガラスに頭を預け、外を見ながら意味不明な言葉を発した。 「なるへそって……」 「アイツ……何であんなに我儘で偉そうになったんだっけ?」 「……やっぱ五年の時かな……」 小五の三学期から、理由は知らないが恵理香は、学校でいつの間にか一人で居る事が多くなっていた。 俺達が、恵理香がいじめられている事に気付いたのは、いじめられ始めてから少し経った時だった。 「私がもっと早く気付いてあげてればなぁ……」 柚理香が両手で顔を覆い、力無く溜め息を吐く。 「お前が自分を責める事無いだろ。それに、恵理香も早く話せば良かったんだよ」 俺が外をボーっと見ていると、柚理香が顔を上げて少し強く出る。
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