女王様は独り

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  「いじめられてるなんて、言いたくなかったんだよ。恵理、今も昔も性格はともかく、プライド高いじゃない。私にも、勿論母さんと父さんにも、心配させたく無かったんだと思うし……」 窓の外から視線を外し、俯いている柚理香を見る。 数秒後、柚理香から視線を外し、今度は空を仰ぐ。 「……そうだよな。やっぱ昔から一緒に居るっつっても、周囲の状況とか違ったら、分かんない事だらけだよな」 昔の俺と、昔の双子を照らし合わせる様に、柄にも無く寂しさを漂わせる。 それから一拍おいて呟いた。 柚理香と反対の床を見つめながら。 「……偉そうな事言って悪い」 部屋から出ようと立ち上がり、ドアへと歩き始めるが、柚理香に呼び止められる。 「萩くん……悪いんだけど、恵理の所、行ってあげて? 私が行くよりは、萩くんが行ってくれた方がいいと思うから」 柚理香が苦笑いで、恵理香が心配だと顔に書いてあった。 俺はただ頷くしかなく、元気付ける様に自然と笑顔になり、ドアに手を掛ける。 「うん、分かった」  
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