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「ちょっと萩! 何してんのよ! 早くしなさいよっ!」
広い豪華な屋敷の中に響く高い女の声。
「今やろうとしてたんだよ! てか命令すんなっ」
「さっき言ったじゃない! 行動が遅いのよ! ノロマ! だからイジメられるのよっ!!」
「恵理……そんな言い方しなくてもペットなんだから手際良くやるわよ」
「おい! 間違いがすんげぇあんだよ!」
「何よ、ノロマなダメペットじゃない」
恵理と呼ばれた態度のデカイ奴が、このだだっ広い屋敷に住んでいる……訳ではなく俺、早牙原萩(さがはら しゅう)がこの屋敷に住んでいる。
“恵理”の本名は、宝城恵理香(ほうしょう えりか)。
恵理香よりは冷静だった口調の女が恵理香の双子の妹、宝城柚理香(ゆりか)。
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