女王様は寂しい?

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そんなにしつこく付き纏われたりしないし、告白も人並みにされる。 まぁ、告白現場なんてあんまり見掛けないのは、ここが金持ち学校だから……っていうのが一番か。 生徒は皆おっとりしていて、たまに普通の高校生みたいな生徒が居るくらい。 俺も一応お坊っちゃまで、双子に振り回されていた為、今まで恋なんてする程暇では無かったからなぁ。野次馬ほどではないけども、最近はそういう事に興味があったりする。 「あの、良かったら……メールしてっ。それでっ、新しく出来たショッピングモール見たくて。普段中々、そういう所行かないから……」 と言って天条音が渡してきたのは、二つ折りにされた紙だった。 俺はそれを受け取り、ブレザーの胸ポケットへ入れた。 「いいよ、時間とかは後でメールするな」 笑顔を向けると、またね、と天条音は自分の教室へと帰って行き、中山に色々と冷やかされながら俺も席に着いた。  
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