女王様の日常

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何故、恵理香と柚理香が人の家で威張っているのかと言うと、この二人とは昔から一緒に居るから。 さすがに俺の両親の前では大人しくなるものの、俺と居る時はお構いなしだった。 「お前ら出てけっ! ここは俺の家!!」 俺の部屋のドアを開け、犬を追い払う様に手をヒラヒラさせて露骨に嫌な顔をする。 だけど引き下がるのがコイツらのめんどくさい所。 「萩の家は私達の家でもあんのよ!」 「萩くんも私達と運命共同体だからね。格は月とすっぽん程違うけど」 「こんのクソ女ぁ……」 「「なんか言ったかオタク野郎」」 幼馴染みという訳では無いが、俺の父親と双子の父親が社長と秘書の関係で、小さい頃から一緒だった。 二人が我儘女王様になり始めたのが、小学六年生になってから。 それからと言うもの、高校二年になっても振り回されていた。 だが、俺にはあまり家に居ない弟が居るくらいで、大勢兄弟が居ない。 賑やかを通り越してうるさいし、口喧嘩もよくするものの、それなりに楽しい。 面と向かって言わないけど、この双子が居て良かったと思ってる。 「ただいまー」 「おじ様っ!?」 恵理香の態度が急変し、俺の部屋の前にある手すりから玄関を覗き見る。 「お帰りなさいっ!」 恵理香が、メイドが綺麗に並んで道を作っている真ん中を突っ切って、俺の父に走り寄る。
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