二章「仲間」

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その「ネコさん」は色々と教えてくれた。 その中でも、僕らは「ネコさん」ではなく「ネコ」と呼ばれる存在という事が一番衝撃的だったかもしれない。 彼とは、しばらく一緒に行動をした、 一緒にご飯を探したり、 一緒に寝る場所を探したり、 たまにはケンカもした、 それは主にエサをめぐってだったが 今となっては少し恥ずかしいな。 彼は色々と知っていた。 だから、僕は寝る前に色々と教えてもらった。 彼は昔は人間と一緒に暮らしていたらしい。 僕はそれを聞いた時驚いた。 しかし、彼は笑いながら話した。 エサは毎日人間がくれた。 寒い時は暖かい部屋で寝れた。 その時、自分にとって毎日が用意されていた。 エサ、寝る場所、起きる場所、 彼は少し寂しそうに話した。 でも、そんな毎日が続くわけがなかった。 きっかけは簡単だった。 自分を飼っていた女の子が死んでしまった。 それがキッカケ。 後は御想像にお任せするよ。 と彼は話を切り上げ寝てしまった。 彼は幸せだっただろうか。 その与えられた毎日に。 僕は分からない。 だって、僕は生まれた時から一人だったから。
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