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「あのー、逆さま様、ですよね?何やってるんですか?」
「見ての通り、花を活けてるんです」
「………」
明晃は、とりあえず久しぶりの自分の席に着いた。
夏とはいえ、ずっと座られることのなかった椅子は、どことなくひんやりしていた。
誰もいない。先生も、生徒も。
「ところで、どうしてこんなことしたんですか?」
「いや、君がやったんだろ」
「そうじゃなくて…いや、そうだけど…どうしてこんなことを願ったんですか?」
「ていうか喋り方逆じゃないんだ。逆さま様なのに」
「あぁもーめんどくさい人ですね!逆に喋ればいいんですね!?」
「いや別にどっちでもいいし」
「なんでこんなことを願わなかったんですか?(逆)」
これから逆の時は(逆)と表示する。
「願わなかった理由?(逆)」
「はい……てかそっちも逆なんですかややこしいからやめて下さい」
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