事故

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  誰でも一度は見たことがあると思う。 車にひかれてぐちゃぐちゃになって、まるでボロ雑巾のように道路に転がっている猫の死体を―‥。 「おかあさん!?おかあさーーんッ!!」 遠くからかすかに聞こえるのは、愛しい我が子の声。 声にならない声で母猫は最後に子供たちの為に鳴いた。 「‥ごめんね」と。 だけどその声は誰の耳にも届くことなく、母猫は静かに生きるのをやめたのだった。  
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