僕らの通常

6/7
前へ
/194ページ
次へ
「いってきまーす!!」   元兄と沙羅姉と僕は同じ中学に通っているので、一緒に歩いて通学。   って言っても、元兄は走っちゃって見えなくなるけど 沙羅姉とすたすた歩いていくと、例の交差点に着いた。 丁度信号に引っ掛かる。   救急車は居なかった。   ただ、どす黒い血が凄かった。   「あまり見ないことね。」 沙羅姉が言った。 「どういうこと?」 僕は聞き返すしかない。 「しーちゃんが来てる。巧も連れていかれるわよ」   ……しーちゃん??   「しーちゃんて誰?」   って聞いたけど沙羅姉は、ほわっと笑って案の定答えてくれなかった。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

290人が本棚に入れています
本棚に追加