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特に競争することなく修練室に到着した三人は、先に着いていた洋輔を見て呆れた。
なんと、すでに素振りを始めて体を温めていた。
「……洋輔、どれだけ君は戦うのが好きなんだ?」
つい桜は聞いてしまったが、洋輔は鼻歌混じりに答える。
「ん、だって面白くないか?戦うの!」
「……それはちょっと」
「野蛮ね、最悪」
洋輔の言葉に、女性陣から非難が飛ぶ。しかしそんな事を気にする洋輔ではない。
さっそく、誰と誰が戦うかを喋り出した。
「そんな事より早くしようぜ。とりあえず俺と滝川な!その後に桜と立花だ!」
一人で勝手に決めると、洋輔は修練室の中央にスキップして行った。
半径百メートルのドーム型になっている修練室は、洋輔が暴れてもビクともしない構造になっている。
おそらく、精度の低い魔法をぶっ放して楽しむ気なのだろう。
「……まったく、強引ね。レディの扱い方をその体に教えてあげるわ」
そして、こちらにも楽しんでいる者がいた。
玲奈は体に紫電を纏わせ、中央に優雅に歩いて行った。
桜と澪は、端っこで三角座りで見学している。
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