368人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
その少女は桜に近づいて行き一言、どこまでも限りなく冷たい声で言い放つ。
「何で高等部へ進学したの?落ちこぼれで、苛められても何も言い返せない腰抜けの癖に。あなたと同じ血が流れてると思うだけで虫酸が走るわ」
「菫……」
思わず、うつ向いてしまう桜。
顔は、申し訳なさで満ちている。
「ふんっ」
菫は踵を返し、属性固定の陣へ歩いて行った。
残された桜は、手から血が滲むほど固く拳を握っていた。
最初のコメントを投稿しよう!