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光を放つその本は熱を帯びており、少し離れた所で待機していた他の生徒にまで暑いと思わせた。
(これが、私の・・・)
菫が魔道書を手に取ると、光は治まり熱の放出が止まった。
「ふむ、炎熱系統か。三ツ井、何か呪文を詠唱してみろ」
担任にそう言われ、菫は頷くと魔道書を開く。
他の生徒は、息を呑んでその様子を見守っていた。
菫は、一つの呪文に目を留め、二度三度小声で練習してから、高らかに詠唱を始めた。
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