落ちこぼれの力

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「おや、おかしいな。アイゼン、何でか分かるかい?」 「おそらく、魔力を通しきれていないのかと。彼からは魔力が微かにしか感じないので、精製時の魔力だけでは不足しているのでしょう」 歌うような高らかな声の天慧の質問に、凛々しい低重音の声でアイゼンは答える。 「そういう事だ。桜君、魔導書に染み渡る様な感覚で魔力を流してみてくれ」 よく分からないが、桜はとりあえず頷いて天慧に従う。 集中集中と自分に言い聞かせ、桜は慎重に魔力を流す。 すると、 「んっ、………………ふわっ?」 小さな女の子のような高い声が、魔導書から漏れた。 それに呼応するかのように、魔導書が淡く光る。
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