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「僕は小中学校で習う基礎魔法すら使えない状態でしたので、成績を平均に保つために筆記だけは完璧にしていたんです。それで、参考書や文献なんかを探すためにあちこちの古本屋を巡っていたら、ラテン文字を使った陣の事が書かれた本を見つけたんです」
ふんふんと頷きながら話を聞く天慧の顔は、だんだん面白そうな物を見つけた子供の顔にと変化する。
「アイゼン、これは掘り出し物じゃないか?」
「ミス、そんな事よりその陣を私に写して頂きたい。どのような物か知りたい」
そう言うとアイゼンは自らページを開ける。天慧は焦るなと言いながらアイゼンの間に陣が書かれた紙を入れた。
「ふむふむ、……ッ!?」
急に黙ったアイゼンと天慧を見て、桜は不安になる。やはり出来の悪い物だったのかと。
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