368人が本棚に入れています
本棚に追加
「それをカズハに取り込ませるんだ。そして唱えろ、加速と!魔力の方はカズハが勝手にやってくれる!自分の才能を信じろ!」
天慧の言葉に桜は頷き、いまだにまともな反応を示さないカズハを叩きながら、天慧がやったように陣を入れる。
「ん、うにょ?」
陣を入れるとカズハが気の抜ける声を漏らすが、桜は無視をした。顔には緊張期待恐怖様々な感情が入り混じっているが、やはり一番強く桜を支配しているのは、歓喜。落ちこぼれと言われ続けた桜にとって力を手にいれるのは、今までの『力のない自分』だ。
それに、今、別れを告げる時が来たのだ。
「加速」
「…………?……っ!?」
桜の声が天慧に届いた時には、桜は天慧の知覚外にいた。
「うにょ?うふぇあおわ!?」
カズハは奇声を上げていた。
最初のコメントを投稿しよう!