落ちこぼれの力

17/18
前へ
/79ページ
次へ
「うぅ、うぅぇ!?」 しかし、カズハだけは苦しそうに呻き声を上げている。 「カズハ、どうしたの!?」 「カズハ君、どうした!?」 心配になった桜がカズハに問い掛け、天慧が二人に駆け寄ろうとした。しかし、 「ミス、大丈夫だ」 アイゼンの一言に立ち止まる。 「どういうことだ、アイゼン」 「いや、実際は大丈夫じゃない事態なのだが、カズハの体だけを見れば、別に問題はない」 天慧はアイゼンの言葉を訝しみながらも、事態を見守ることにした。 「うぅ、うわぁぁぁっ!」 すでに悲鳴にまでなった声と共に、カズハから溢れ出るものがあった。 「これは……精製光?」 それは、魔導書を精製するさいに出る、魔法使いの性格特性によって変わる色の付いた光。 カズハから出てるのは、桜のそれであった。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

368人が本棚に入れています
本棚に追加