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「うぅ、うぅぇ!?」
しかし、カズハだけは苦しそうに呻き声を上げている。
「カズハ、どうしたの!?」
「カズハ君、どうした!?」
心配になった桜がカズハに問い掛け、天慧が二人に駆け寄ろうとした。しかし、
「ミス、大丈夫だ」
アイゼンの一言に立ち止まる。
「どういうことだ、アイゼン」
「いや、実際は大丈夫じゃない事態なのだが、カズハの体だけを見れば、別に問題はない」
天慧はアイゼンの言葉を訝しみながらも、事態を見守ることにした。
「うぅ、うわぁぁぁっ!」
すでに悲鳴にまでなった声と共に、カズハから溢れ出るものがあった。
「これは……精製光?」
それは、魔導書を精製するさいに出る、魔法使いの性格特性によって変わる色の付いた光。
カズハから出てるのは、桜のそれであった。
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