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生徒会室のベッドにカズハを寝かした二人は、カズハが人間になった理由を知っているらしいアイゼンから詳しい話を聞いていた。
「アイゼンさん、なんで魔導書のはずのカズハが人間に?」
「そうだアイゼン、何か知っているのだろ?早く教えろ」
二人の問い詰めに、沈黙していたアイゼンは重い口を開いた。
「……歴史が動く。我が友の努力が報われる時期が来たのだ。そもそも私たちは今は魔導書だが、元は人間だ。とある魔女の力で、魔導書として運命の担い手が現れるのを待っていたのだ」
アイゼンの言葉に桜は首を傾げていたが、天慧は何かに気付いたような表情になる。
「何故今まで黙っていたんだ、アイゼン?いや、グリモワールの盟友〈アルベルト=ヴェルディ=アイゼン=サレイドッチ〉、『白銀の伯爵』殿?」
天慧の言葉に、アイゼンは感心したようにため息をついた。
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