落ちこぼれの新しい日々

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「まて、魔力量で有名なグリモワールが何故魔法を使えないんだ。それに魔法剣が得意なんて話はどの文献にも書かれていなかった!」 かつて、イギリスとフランスの海峡付近で起こりかけた魔王降臨事件。それを防ぎ、若きグリモワールが英雄と讃えられる事となったのだが、文献にはグリモワールの魔法で召喚陣が封印されたと記されている。 「……魔力が多くても、彼の体は属性変換が出来なかったんだ。むろん、それでは属性魔法が使えない。だから彼は魔術を修得し、体術を学んだ。魔法剣はその産物だ」 アイゼンの話は様々な文献を覆すもので、天慧も文献を信じていたからこそ話を聞いて混乱した。 しかし桜は違う。彼はある感情のみで満たされていた。 それは、親近感。 天慧から聞くに、様々な魔法史の文献に名前が載せられるような英雄が、自分と同じで魔法が使えなかったのだ。 それは桜でも、魔術でかなりのレベルまで上がれると思える材料となった。
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