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「三十三番、三ツ井桜〈みつい さくら〉。よろしく。」
一人の男子が自己紹介をした途端、教室内が騒がしくなる。
「……おい、あいつって落ちこぼれの奴だよな?」
「そうだよ、落ちこぼれ桜だよ」
そこら中(特に男子)で、ひそひそ話がされる。その全てが悪口であるのは言うまでもない。
そう、落ちこぼれと言われているこの男子こそ、この物語の主人公の三ツ井桜だ。
「おい、うるさいぞ!自己紹介続けろ!」
薫が一喝すると、教室は静かになり、自己紹介が再開された。
それを見た薫は、頭をぽりぽりかきながら浅いため息をついた。
(上手くやっていけるかな?)
まだまだ新人の薫には荷が重そうなクラスだった。
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