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『親父が集めてた物の中に忘却の砂というのがあると聞いてるんだが、あの砂がそうなのか?』
『忘却の砂をご存知なのですか?』
『見たことはないが』
『そうですか。でも、あの砂は忘却の砂ではありません。ただ砂のように見えているだけなのです。』
だいぶ奥まで来たところで顔なしが足を止めた。
立ち止まった先に一軒の古い建物がある。
『こんな所に家があるんだな』
ダンテは鬱蒼とした森に不釣り合いな暖かみのある木造の建物を見て呟いた。
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