遡る記憶
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『そんな事情があったのですか』 かなり甘くなったコーヒーを満足気に飲んでダンテが質問した。 『人間に戻れたわけじゃなかったのか?』 『お兄様の魔力は不完全だったわ。私の体は確かに魔力を失い人間に戻ったけれど、魂は魔力を保ったままで完全な死を迎えず、此処に残されてしまったの』 懐かしそうに話すリリス。 『にしても…えらく若いな、今のあんたは』
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